糖尿病内科

ごあいさつ

 糖尿病は自覚症状がないことが多く、健康診断などで初めて指摘されることが多い病気です。元気だからと言って放っておくと、10年後、20年後に失明や脚の切断など重大な合併症を引き起こすこともあります。

 当院では糖尿病の方が合併症を起こさず元気に長生きしてもらうことを目標としています。 糖尿病内科専門医が毎日診察しており、患者さんそれぞれの病態や生活習慣などを考慮して、一人一人に最適な治療方法を提案いたします。 食事運動療法、内服治療、インスリン治療も対応が可能です。

 「血糖値が高い」と言われたら、まずは一度受診してください。

副院長 糖尿病内科専門医 田丸美里 

当院の糖尿病内科の特徴

①糖尿病患者の全身の病気に対する診療が可能です

 糖尿病は合併症が怖い病気です。 狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳梗塞や脳出血などの脳卒中、かぜやインフルエンザ・肺炎・結核などの感染症等が代表的な合併症です。また、糖尿病患者は睡眠時無呼吸や骨粗鬆症、癌などが多いことも知られています。 当院では、糖尿病内科専門医だけでなく、呼吸器内科専門医、循環器内科専門医が在籍しており、各専門家が連携して治療にあたることが可能です。

②診察の最初から最後まで医師が担当します

 当院では5名の医師が在籍しており、常に3~4名の医師が診察にあたっております。 一度の診察で、一人の医師が最初から最後まで話を伺いながら、必要な検査(採血・レントゲン検査)を医師自身でおこないます。 糖尿病の治療にインスリンが必要になった際には、担当医師がインスリンの指導をおこないます。

③永寿病院など地域の中核病院と連携して治療にあたります

 当院では永寿総合病院の糖尿病外来を担当している医師が在籍しております。 その他にも同愛記念病院に勤務していた医師がいるなど、地域の中核病院と連携して治療にあたります。 肺炎や癌、脳卒中の診断には、画像検査が必要となります。CTやMRI検査が必要な際には、日本橋の連携クリニック等で検査出来ます。検査結果は口頭だけでなく報告書としてお渡しします。

糖尿病の診断

 糖尿病の診断や治療の効果をみるためには、採血検査が必須です。 血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)などの数値をみながら診断、治療をすすめていきます。 HbA1cとは過去1〜2ヶ月の血糖の状態を示す値です。糖尿病の合併症予防のためには、HbA1c 7%未満が目標とされています。

糖尿病の合併症

 血糖が高い状態が続くと、全身の細い血管に障害が及び、様々な合併症を引き起こします。代表的な合併症には以下のようなものがあります。

 脳:脳梗塞、脳出血(麻痺の後遺症を残すこともあります)
 心臓:心筋梗塞、狭心症、心不全
 眼:硝子体出血、網膜剥離、緑内障(最悪の場合、失明します) 
 腎臓:糖尿病性腎症(透析に至る原因の第1位です)
 感染症:肺炎、結核、足壊疽(脚の切断になります)

 その他にも糖尿病の方は、認知症・癌・骨折・歯周病のリスクが上昇するといわれています。 また、糖尿病の方は高血圧や脂質異常症など、他の生活習慣病を合併していることも多いです。合併症予防のためには、他の生活習慣病も同時に治療することが大切です。

糖尿病の治療

①食事運動療法

 食事の中で最も血糖を上げる作用があるのは、糖質です。まずは甘いものを控えましょう。そして、食事の際は野菜から食べ始めて、白米はお茶椀に小盛り1杯までにする、まずはここから意識してみてください。 運動の基本はウォーキングです。階段を使う、一駅分歩くなど、日常生活の中で歩く習慣をつけましょう。目安は1日20分程度、8000歩程度です。 肥満のある方は、毎日体重を測る習慣をつけましょう。それだけでもダイエット効果があります。

②内服治療

 一番大事なことは、処方された薬を毎日忘れずに正しく内服すること、途中で中断せずに継続することです。 糖尿病の薬の中には、食事の直前や空腹時など、飲むタイミングに制限があるものもありますので、指示された飲み方を守ってください。 糖尿病の治療薬は種類が多く、20年前にはなかった薬が今はたくさん出てきています。 血糖を下げるだけでなく体重減少も期待できる薬や、心不全や腎不全のリスクを減らす作用のある薬などもあります。 当院では一人一人の生活スタイルや病態、コスト面なども考慮して、それぞれに合った最適な内服薬を選択し治療していきます。

③インスリン治療

 内服薬のみで血糖コントロールが困難な場合や、急激な血糖悪化を認める場合にはインスリン注射による治療が必要になる場合もあります。 注射と言われると拒絶する方も多いですが、今のインスリン針はかなり細くなっており、痛みを感じにくくなっています。実際に始めてみると、毎日の注射もすぐに慣れてしまう方がほとんどです。 注射の回数は1日1回〜4回の方法がありますが、それぞれの病態や合併症リスク、生活習慣や本人の希望などを考慮して治療を行います。

内科(生活習慣病・総合診療)


生活習慣病:高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肝機能障害、痛風・高尿酸血症、肥満など
循環器:高血圧症、心房細動、不整脈、心不全、狭心症など
消化器:逆流性食道炎、慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、炎症性腸疾患、便秘症、ウイルス性肝炎、胆石症、脂肪肝、虫垂炎、憩室炎、ピロリ菌スクリーニング(ABC検診)など
腎臓・泌尿器:腎機能低下、慢性腎臓病、尿路結石症、前立腺肥大症、膀胱炎、腎盂腎炎など
内分泌・代謝:糖尿病、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症など
神経:頭痛、脳梗塞後後遺症、不眠症、不安症、神経症など
感染症:感冒、胃腸炎、ノロウイルス感染症、副鼻腔炎、蜂窩織炎など
その他:貧血、めまいなど
総合診療:腰痛、骨そしょう症、湿疹、にきび、更年期障害

生活習慣病

 生活習慣病とは、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症・痛風、COPDなど、生活習慣や体質によって起こる慢性疾患のことです。生活習慣病は無症状な事が多く、病気が進むと様々な合併症を引き起こす危険があります。また心臓病、脳卒中、大動脈の病気、腎臓病など、重篤な病気のリスクも高まります。

 治療については生活習慣を変える事から行います。食事の摂取方法やその内容、運動の種類や量、たばこやお酒、睡眠時間、ストレス管理に至るまで、幅広く考慮する必要があります。

 健診などで異常を指摘された方は、放置せず、早めに受診することがとても大事です。

睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病

 睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、糖尿病、心臓病、脳血管疾患などと密接に関連することが知られています。睡眠時無呼吸を有する患者さんは、一般人口と比較して、高血圧が約2倍、虚血性心疾患が約3倍、脳血管疾患が3~5倍の頻度で合併すると報告されています。睡眠時無呼吸症候群と心血管疾患が関連する理由は、繰り返す低酸素状態、交感神経の活性化による悪影響、血管内皮のダメージ、肥満に伴う冠危険因子(高血圧・高脂血症・糖尿病など)の増加などが挙げられています。睡眠時無呼吸症候群の治療が心血管疾患自体の予防・治療につながると考えられています。当院で睡眠時無呼吸症候群の診断と治療を行っています。

高血圧

 高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態をいいます。高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりして、動脈硬化を起こしやすくなります。

 高血圧の状態を放置していると、動脈硬化を促進し、脳卒中や心疾患、あるいは慢性腎臓病などの重大な病気につながります。脳卒中とは、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などです。脳卒中では、命が助かっても運動障害や言語障害が残ることも少なくありません。心疾患とは、心筋梗塞・狭心症などです。高血圧に慢性腎臓病を合併すると、脳卒中や心筋梗塞による死亡率をさらに悪化させます。

高血圧の診断基準

 診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。また自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準が用いられます。

目指すべき降圧目標値

 診察室での降圧目標値をみると、若年、中年、前期高齢者(75歳未満)では130/80mmHg未満です。一方、75歳以上の後期高齢者では、それより高い140/90mmHg未満を目安としています。糖尿病、蛋白尿のある慢性腎臓病(CKD)を合併している患者さんの降圧目標値は130/80mmHg未満とされています(家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準)。

高血圧の治療

 高血圧の治療は、食事療法・運動療法・薬物療法の3つからなっています。

高血圧の薬物療法

 降圧薬治療における第一選択薬には、Ca拮抗薬、ARB/ACE阻害薬、利尿薬のいずれかを用います。また、これらの第一選択薬にβ遮断薬を加えた5種類は主要降圧薬と位置付けられ、積極的な適応や禁忌、慎重使用となる病態や合併症の有無に応じて使用されます。通常、単剤の少量から開始して増量します。必要に応じて最大の効果を引き出すように2剤、3剤と併用療法を行います。併用療法を行っても目標血圧に達しない場合は、β遮断薬、α遮断薬、アルドステロン拮抗薬、直接的レニン阻害薬、その他として非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、中枢性交感神経抑制薬、ヒドララジンなどの追加が考慮されます。

脂質異常症(高脂血症、高コレステロール血症)

 脂質異常症は血液中の中性脂肪(トリグリセライド)や、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が基準より高い、またはHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が基準より低い状態のことをいいます。

 コレステロール値に異常がある(特にLDLコレステロール値が高い)と、動脈硬化が進み、脳梗塞、心筋梗塞など血管系の病気が起きやすくなります。中性脂肪値が高いと急性膵炎を起こすこともあります。家族性高コレステロール血症では皮膚やアキレス腱等に黄色腫が発見することもあります。

脂質異常症の診断基準(空腹時採血)

 高LDLコレステロール血症:LDLcho ≧140mg/dL
 低HDLコレステロール血症:HDLcho <40mg/dL
 高トリグリセライド血症:TG ≧150mg/dL

脂質異常症の治療

 脂質異常症の治療は、食事療法・運動療法・薬物療法の3つからなっています。

脂質異常症の薬物療法

 脂質異常症(高脂血症)の代表的な薬には、大きく分けて「コレステロール値を下げる薬剤」「コレステロール値と中性脂肪値を下げる薬剤」「中性脂肪値を下げる薬剤」の3種類があります。

 もっと知りたい方は、こちらをご確認ください。(外部サイトへのリンク)

痛風、高尿酸血症

 痛風は尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎を伴う症状になる病気です。放置すると激しい関節の痛みを繰り返したり、腎臓が悪くなったりする重大な病気でもあります。痛風が起きる前に血液の尿酸値が高い状態が長く続きます(高尿酸血症)。生活習慣病(肥満や高血圧など)を合併することも少なくありません。

 血液中の尿酸値が上昇し飽和溶解度を超えると関節内に尿酸塩結晶が生じます。この結晶を白血球が処理する際に痛風発作(急性関節炎)が発症します。

診断

 確実な痛風の診断は、発作中の関節の中に尿酸の結晶があることを証明することです。通常は血中尿酸値が高く、痛風特有の臨床症状から診断します。

予防と治療

 尿酸は絶えず身体の中で作られています。菜食を中心とした食生活で尿酸が体内で出来るのを抑制するとともに、内服薬で血中尿酸値をコントロールする必要があります。
 発作時の治療には消炎鎮痛薬を用います。前兆症状や発作の鎮静化にはコルヒチンも有効です。痛風発作が治まってから尿酸値をコントロールする薬を長期間服用する必要があります。

小児科

対象疾患:気管支喘息、アレルギー疾患、感染症(風邪(かぜ)、インフルエンザ、気管支炎)、伝染病、ウイルス性胃腸炎、あせも、水イボなど

ワクチン接種

 恐ろしい感染症から大切な子どもたちの命を守りましょう。VPD(Vaccine Preventable Diseases)とは、"ワクチンで防げる病気"のことです。日本では、毎年多くの子どもたちが、ワクチンで予防できるはずのVPDに感染して、重い後遺症で苦しんだり命を落としたりしています。ワクチンで防げる病気は限られていますが、防げる病気だけでも確実に予防して、大切な子どもたちの命を守りましょう。

 当院では適切で積極的なワクチン接種に取り組んでいます。

アレルギー疾患

アレルギー疾患は花粉症、喘息 (ぜんそく)、じんま疹 、食物アレルギーなどがあります。検査は採血によるアレルギー検査 (花粉、食べ物、ダニ・ハウスダストなど)です。治療は主に以下の2種類があります。

1)薬物療法(内服・点鼻薬・点眼薬)
2)スギ花粉症の舌下免疫療法・ダニ(ハウスダスト) アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法
 2018年から5歳以上の子どもにも承認されて、使えるようになりました。

手足口病

子どもの三大夏かぜ(手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱(咽頭結膜熱))のひとつです。

 夏に流行するウイルス感染症です。手・足・口・おしりに水ぶくれ状の発疹が現れます。数年に一度の頻度で乳幼児の間で大流行します。エンテロウイルス、コクサッキーウイルスなどが原因です(多数)。数日間の熱が出るときもありますが、38度以下のことがほとんどです。口内炎が酷いと水が飲めない時があります。まれですが、髄膜炎、急性心筋炎を合併します。症状が回復した後もウイルスが4週間ほど便から出続けます。登園・登校の一定の基準はありません。熱が無く、飲水・飲食ができれば、登園できます。

水イボ(伝染性軟属腫)

 幼児によくあるウイルス感染症で、皮膚に小さなイボが複数できます。登校・登園について法的な規制はなく、プールも入れます。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを共用することは避けます。放っておいても自然に無くなりますが数年かかることもあります。取る処置も可能です(当院では不可)。

img interior1 img interior1 img interior1 img interior1